がん(ユーイング肉腫)治療記録&関連事項備忘録

100万人に1人と言われるユーイング肉腫(希少がん)の治療中のギリAYA世代♂です。同じ病気や、がんになった方の参考までに病気の治療記録と、病気関連の情報の紹介をします。基本的には自分が体験したことなどです。基本方針など詳しくは「このブログについて」をご覧ください。

病気関連読書記録2冊目『がんと診断されたら最初に読む本』勝俣範之

 

 

腫瘍内科医(抗がん剤治療のエキスパート的な専門家)の先生が書いた、がん診断された人のための本

タイトルのとおり、がん診断されて間もない人向けに書かれたと思われる本

なのだけれども、

がんに対する考え方や、治療、緩和ケアの考え方、また、仕事との両立や医療費を補助する各種制度、障害年金の手続きなど、単に治療だけではなく心構えから考え方、社会生活や緩和ケア、各種制度含めて横断的に書かれているため、がん診断されてしばらく経った人が読んでも参考になることがあるなあという本だった。

どうしても治療中心の生活になるけど、がんになったから治療のみに専念しなきゃ(日常生活を諦めなきゃならない)のかというとそういうわけではないんだよね

これは治療を進めていくうえで実感しているところ

 

家族が診断受けた場合含め、家に一冊あって読んで損はない本だと思う。

 

ただ、読んだ感じ、やはり固形癌など母数が多い癌患者を対象に書かれている感じがあり、肉腫(サルコーマ)など希少がんの人達は読むと違和感を感じる点もあるかなあと思った。

ステージ分類ごとの対応とかも書かれてるけど、実際は肉腫系はステージ分類というよりは限局性・転移性の分け方の意識の方が強かったり、

あとは、たしかに抗がん剤は通院でもできるけど、肉腫系の治療は基本的には通院難しいし・・・(イホマイド系は6日点滴なんだからそもそも無理)

本に出てくるデータの元サイトやデータ見て肉腫系とかほぼ出てこないしね・・・

また、本の趣旨から当然だけれど、標準治療が終わり、適用できる薬が無い(けどなにか新情報が欲しい)といった人向けではない

 

以下、個人的まとめメモ

 

日本は、外科的指向が強い=切って終了が多い

外科治療を中心に発展してきた歴史があるため、標準治療(外科+抗がん剤放射線+緩和ケア)の感覚が緩い点がある。

例:ステージ3の大腸がん患者のうち、手術後8週以内に標準的科学療法(抗がん剤)を受けた患者の割合は54.8%

腫瘍内科医の少なさも課題の一つ

 

がんの発症は、60~65%は偶然による発症

30%は環境的要因→環境的要因のうち、喫煙や感染(B型肝炎など)が大半

10%は遺伝的要素

つまり、がんを発症したからといって自責的になる必要はない。

自身の過去はほぼ無関係であり、がんは生活習慣病ではない。(P31~)

 

DM、EBMの考え方

SDM=シェアード・ディシジョン・メイキング

医者と患者が情報を共有し、決定も共有する。

本来は、インフォームドコンセントとセットで導入されるべき概念だが、インフォームドコンセントが先に導入された結果、日本では患者が情報をもらったうえで『患者が決定する』自己責任押しつけ型ともいえる治療方針の意思決定となってしまっている面がある。

EBM=Evidence-Based Medicine

→科学的データ(エビデンス)をベースにして医療を行うこと

標準治療とは何なのか?

現時点で患者が受けられる『最善』で『最良』の治療

現在利用できる治療法の中で、最も効果が期待できる世界標準の治療

手術・放射線治療薬物療法・緩和ケア

未承認治療は科学的な有効性の裏付けが乏しい(P71)

成功率(有効性が証明されて標準治療になる確率)

治験・臨床試験3~36%

先進医療6%

代替療法※(自由診療・民間療法)0.0%

※ビタミンC,免疫細胞療法、がんワクチン、食事療法、漢方薬サプリメント、ヨガなど

標準治療は保険適用だが、すべての保険適用が標準治療というわけではない

過去に保険適用され、現在では最新ではない治療法もあるため。

 

トンデモ医療、インチキ商法の見分け方

少なくともがん治療においては、保険が効かない段階で怪しいという前提で見て行った方が良い

1 保険が効かない高額な医療(自費・自由診療

2 『どのがんにも効く』という文言

3 『免疫力アップ』をうたっている

4 個人の体験談が紹介されている

5 細胞実験や動物実験の証拠しかない

6 『がん予防に効果がある』と『がん治療に効果がある』は同じではない

(P123より引用)

 

障害年金について

診断から1年6カ月経てば検討しても良いかも

書面審査で、審査が完了するまで3~4カ月かかる。

また、書面の内容によって審査が左右される場合があること、個人で年金事務所等に確認にいっても冷たい対応をされる場合があることなどから、可能であれば専門家(社会保険労務士)に依頼をしたほうが良い

(※ブログ主の個人的考えとしては担当医との連携も大切なため、担当医に障害年金の手続き考えてることを伝達・打合せ→専門家にも依頼が良い気がする)

→担当医に確認して適用難しいと言われた場合でも、専門家を入れることによって適用になった場合もある。

がん相談支援センター、担当医との連携等が大切。(担当医の診断書等については、社労士が代理で打ち合わせなどしてくれる場合も)

社労士といわれてもどこにたのんで良いか分からないと思うが、がん診療連携拠点病院とかでは提携社労士がいる場合もあるとのこと。がん相談支援センターに聞いてみたり、または、市区町村が行っている無料相談などで相談も手かも。

あとは、社労士が運営しているNPOがあるのでそこで相談でも良い?

参考サイト

NPO法人障害年金支援ネットワーク

社会保険労務士の任意団体。電話相談や社労士紹介などしてくれる

NPO法人 障害年金支援ネットワーク - NPO法人 障害年金支援ネットワーク (syougainenkin-shien.com)

その他

余命宣告は当たらない確率が高い(がん専門病院でも余命が当たる確率は3分の1)

・先進医療とは未承認薬治療

代替療法(ビタミンC,免疫細胞療法、がんワクチン、食事療法、漢方薬サプリメント、ヨガなど)には治療効果は実証されていないが、QOL(生活の質)の改善の可能性はある

・ステージ4でも40年以上治療しながら生活している人もいる(P90)

・ブログは体験談としてはいいけれど、治療の参考にするのはやめましょう(P96)

→病状は個々によって違うため。あくまで参考程度にとどめるべき。

これはブログ書いてる側からしてもそうだと思うw