がん(ユーイング肉腫)治療記録&関連事項備忘録

100万人に1人と言われるユーイング肉腫(希少がん)の治療中のギリAYA世代♂です。同じ病気や、がんになった方の参考までに病気の治療記録と、病気関連の情報の紹介をします。基本的には自分が体験したことなどです。基本方針など詳しくは「このブログについて」をご覧ください。

関連記録8『未承認薬等と混合診療と患者申出療養制度』

そういえば、海外では承認されてたりするけど日本では未承認の薬が(存在したとして)使うことを検討する場合、どういった制度があるのかな~ということで調べてみました。

未承認薬等とは?(定義とか)

未承認薬等にもいろいろ定義あるみたいなんですが、ここでは

海外(米国か欧米)で承認されているが、日本では承認されていない薬

②日本で医薬品として承認され使用されている薬でも、海外(米国か欧米)で認められている使い方(適応症)が認められていないもの(適応外)

として記述していきたいと思います。

未承認薬=既存の治療薬よりも絶対に効くというわけではないことには注意

 

まあ、未承認薬のデータ見ると今のところユーイング肉腫の未承認薬無いんですけどね・・・

これは先日薬剤師さんとの雑談の中で聞いた

ユーイング肉腫等の希少がんは、治療薬を開発しても服用する絶対数が少ないから製薬会社が儲からないため製薬会社中心の治療薬開発になりにくい。医者が有志のグループ等を組んで開発したりしているのが現状だけれど、そうするとどうしても通常のがんとの格差が出てしまう

という構造的問題が世界的に見てもあるんじゃないかと思う。

これについてはそれこそ政治とか国の力でなんとかしてもらうしかないんじゃないかなあ。

ユーイング肉腫に限らず小児がんの希少がんは、将来のある若年層が罹患することが大半なのだからホントになんとかして欲しい

 

混合診療の禁止

日本においては、治療にあたっては、同一医療機関において保険診療保険外診療を併用して行う、いわゆる『混合診療』は原則的に禁止されているらしい

つまり、仮に未承認薬を使うとして、費用は未承認薬+入院費用(ベッド代)なども全て保険適用外となり、全額自費負担となるということみたいです。

 

なお、混合診療になると保険診療の分も初診に遡って保険適用外となり全額自己負担(追加徴収される)となるとのこと。

原則禁止なので、例外要件はあります。

また、『同一医療機関で』併用は禁止なので、たとえば、がんセンターでは標準治療などの保険適用の治療を行って、別の病院やクリニックで保険適用外の治療(免疫療法とか)を行う分には大丈夫みたいです。

例外要件の詳細などについては下記リンク参照

保険診療と保険外診療の併用について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

患者申出療養制度とは?

上記のとおり、同一医療機関での混合診療は禁止なんで、未承認薬使いたいときは別の病院探さなきゃならないの?という疑問が湧いてきますが、そのあたりに対応するために作られた制度のようです。

厚生労働省 患者申出療養制度 (mhlw.go.jp)より引用

 

この制度を利用して、(計画書などを提出して)認定されて制度適用対象となると、入院費用などの保険診療の部分は保険適用となり、費用負担が抑えられるという仕組みです。(言い換えれば、同一医療機関での混合診療ができる

 

ただし、あくまで入院費用など未承認薬以外で治療した場合に保険適用になる部分が保険診療対象となる(同じ言葉の繰り返しになってややこしいなw)だけで、未承認薬の費用は自費負担なことに注意が必要です。

 

厚生労働省 患者申出療養制度 (mhlw.go.jp)より引用


詳細はリンク貼っておきますが、書類提出してから国の審査などがあって6週間目安で認定期間が必要だったりで使い勝手が良いかというとなんともいえないところ・・・

厚生労働省 患者申出療養制度 (mhlw.go.jp)

未承認薬等を調べたい場合はどこで調べたら良いの?

国立がん研究センターが、リスト化してくれています。

「国内で薬機法上未承認・適応外である医薬品・適応のリスト」(2023/11/30時点のデータ)ist.pdf (ncc.go.jp)

国立がん研究センターは色々資料公開してくれていてありがたいですね✨

がん治療界のジェバンニ(漫画デスノートの登場キャラ)と呼びたい(笑

https://www.ncc.go.jp/jp/senshiniryo/iyakuhin/index.htmlより引用



これは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している「未承認薬データベース」をもとに、国立がん研究センター先進医療・費用対効果評価室が、米国あるいは欧州の承認情報を追加して作成したリストのようです。

リスト見る限りでは今のところユーイング肉腫については未承認薬等は載ってないですね・・・

そして、リストの右端の方に費用の目安も載っていますが、未承認薬の費用はやっぱ高いな~という印象ですw

 

HPリンク

国立がん研究センター

国内で薬機法上未承認・適応外である医薬品について|国立がん研究センター (ncc.go.jp)

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

未承認薬データベース | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)

 

まとめ

ユーイング肉腫の未承認薬等は今のところなさそうです(これは論文や医療ニュース見ててそうだろうなあという感じはありました。)

ただ、将来的に追加される可能性がないとはいえませんし、毎年更新はされているようなので確認はしていきたいところですね。

制度自体も参考として知っておく分には良さそうです。