がん(ユーイング肉腫)治療記録&関連事項備忘録

100万人に1人と言われるユーイング肉腫(希少がん)の治療中のギリAYA世代♂です。同じ病気や、がんになった方の参考までに病気の治療記録と、病気関連の情報の紹介をします。基本的には自分が体験したことなどです。基本方針など詳しくは「このブログについて」をご覧ください。

関連記録9『がん治療中の運動について(運動の推奨)』

一般に、病気療養=安静にすべきという感覚があると思います。

けれど、抗がん剤投与で入院すると退院後めっちゃ体力が落ちているのを自覚します。

また、自宅でも安静にすることが多いため、意識して運動を行わないと運動不足に陥る→体力低下のループに陥ると思われます。

僕は元々が面倒くさがりで社会人になってからは運動習慣もあまりなかったので、まさしくこのループに陥ってます。

そのため、運動した方が良いんじゃないかなあということで、

入院中や退院後に自宅でも出来る運動と、ついでにがんの運動療法の考え方について調べたことなど記載していきます。

なお、運動を行うにあたっては、行う運動や、運動して良いか等は、主治医に相談して行う事が必要だと思います(病状や部位はそれぞれなので、自己判断では行わない方が良い。例えば骨盤や足のユーイング肉腫とかの方だと歩行運動難しい場合もありますしね。)

病院によってはリハビリテーションの先生に聞いてみても良いのかな?

 

がん患者向けのホームエクササイズ動画のサイト

国立がん研究センター中央病院が、すべてのがん患者ができるホームエクササイズ動画集と銘打ってホームエクササイズの動画を公開してくれています。

 

youtube動画なので直接リンク載せようかとも思いましたが、動画19個くらいあったので、1つだけリンク貼るのと、サイトへのリンクを貼ることにします(笑

youtu.be

がん患者さんのためのホームエクササイズ~呼吸練習編~【国立がん研究センター中央病院】【国立がん研究センター東病院】 - YouTubeより引用

入院中や、自宅療養中に行うのに良いかなあと思います。

サイトリンク

がん患者さんのための ホームエクササイズ動画集 | 国立がん研究センター 中央病院 (ncc.go.jp)

 

がん悪液質という概念

これは最近知ったんですが、がん悪液質という概念があるそうです。

「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、進行性の機能障害に至る、骨格筋量の持続的減少(脂肪量減少の有無を問わず)を特徴とする多因子性の症候群」

と定義されるらしいですが、

要は、がんが体内にある状態においては、がん細胞が身体機能へ悪影響を及ぼして結果的に身体の衰弱や食欲不振→体力低下へとつながり衰弱、QOLの低下や予後の悪化につながるというものです。

これに対する対処法の一つに運動療法があるみたいです(他に、薬物療法や食事療法)

 

体の中にがんが存在している状態(担がん状態)では、がんの組織がほかの正常な組織が摂取しようとする栄養を奪ってしまうことによる体の衰弱(がん悪液質)が起こりやすく、身体機能にさらに悪影響を及ぼします。

こうして栄養障害が起き活動性が低下すると、筋力が落ちて体力も低下し、少し動いただけでエネルギーをたくさん消費するため、いっそう疲れやすくなります(筋萎縮[筋肉の容量が減ること]・筋力の低下・身体機能の低下)(※)。そして、疲れるから動かない、動かないから体力が低下するといった悪循環におちいり、ついには寝たきりの要介護状態におちいることもあります

がんとリハビリテーション医療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] (ganjoho.jp)より引用

 

どれくらいの運動が推奨されているの?

色々調べてみたんですが、基本的には過度な運動は行わず、健康維持に推奨される運動を行うことが良いということみたいです。

なお、画像の注記にもありますが、主治医に相談して行う事が必要だと思います(病状や部位はそれぞれなので、自己判断では行わない方が良い)

vol.1 がんサバイバーよ、運動しよう!|データからみるがんと運動 | がん悪液質.jp - 小野薬品 (ono-oncology.jp)より引用

 

週に150分~300分のややきつい有酸素運動で考えると、例えばウォーキングなら一日30分~60分×5日で条件満たすので出来そうですよね。

オーバートレーニングは免疫力低下につながり逆効果というデータもある(がん終末期における運動療法(論文)_pdf (jst.go.jp))ので、治療中であることも考えるとあんまり激しい運動は良くなさそう

理想は『ウォーキング+最初に紹介したホームエクササイズ』を週3~5日で自分の体調に合わせて調整していくことかなあと個人的には考えています。

このあたりは、個々人がそれぞれ考えて相談してみると良いかもですね。

なお、『座位行動』は定義見てると、寝てる状態も含まれるようなので注意が必要ですね。

 

また、厚生労働省が最近改訂した『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』等も参考になると思います。

 

ガイドラインは全体版だと40ページ以上ありますが、ざっくり読んでいくとまあ健康維持のために推奨される運動については、基本的な考え方は上で紹介したWHO推奨のものと同じようですが、推奨の運動時間等はWHO推奨より少し軽度になってるかんじですね

メッツってなんやねん。大リーグのチームか?と思った方もいると思いますが、定義は下記抜粋のとおりです。見てもイマイチ良く分からんから、まあ上の推奨事項参考にすれば良いのではないかと思います。

 

また、必ずしも続して行わなきゃならないというわけではなさそうです

 

他にもいろいろ載ってるので参考に一読してみると良いかもしれません(僕は面倒なので全部は読んでませんw)

成人版は2ページくらいなので成人版だけ読んでも良いかも。

全体版 001194020.pdf (mhlw.go.jp)より抜粋

成人版 001195866.pdf (mhlw.go.jp)

 

筋肉と免疫力

筋肉が免疫力強化につながるという直接的な論文とかは無いようですが、こんな記事はありました。

運動が免疫系に影響を与えるという論文や記事はあったりするんですが、好中球やリンパ球の変動と運動の関連についてのものが大半なんですよね。

まあ類推して考えるなら筋肉が免疫系に影響与えるというのは何となくありそうな気はします(※個人の感想です)

オーバートレーニングは逆効果という論文もあったので、適度に筋肉を付けるのが良さそうな感じはありますね

がんや慢性感染症と戦うために、免疫系は長い期間にわたって活性を維持しなければならないが、免疫系もしばしば疲労する。ドイツがん研究センターはマウスを用いた実験で、骨格筋が免疫系の機能維持を助けることを発見した。

筋肉は強い免疫システムをサポートしている:世界の最新健康・栄養ニュース (nibiohn.go.jp)

 

がん終末期における運動療法(論文)_pdf (jst.go.jp)

 

まとめ:治療中でも運動した方が良さげ

色々調べていくと、少なくとも健康を維持する程度には運動をした方が良さそうです。

また、イスに座りっぱなしも良くないようなので、個人的にはしばらく使ってなかったスタンドデスクを使って勉強やPC作業(遊び)をしようかなあと考えています。

とはいえ、腫瘍のある部位や手術箇所、治療の状況等、個々人に適した運動が何かといったことは千差万別なので、自身の状況を踏まえたうえで主治医やリハビリテーションの先生等にも相談し、自分の出来る範囲で運動を行っていくと良いのかなあと思います。